Saturday, June 18, 2022

ココハニホン、ワタシハダレ?

昨日は地域中学校で「ココハニホン、ワタシハダレ?」と言うタイトルで話をした。多くの子が頷きながら聞いてくれて嬉しかった。中でも動画は身を乗り出して観ていた。

もしかするとこのページを誰か訪れてくれるかもしれないのでおさらいを書いておく。

前半は私の体験を基に「アイデンティティ」の話をした。アイデンティティというと民族や国籍と捉えられがち。それはかつて国民=民族=同じ価値観という時代が長かったからだ。今は違う。自分が何者であるかというのはそれだけではないし、一言では語れない。いろんな面があって然るべきなのだ。私という人物を説明するたくさんの同一性。私の場合は国籍は日本人、人種はモンゴロイド、文化背景はアメリカナイズされた日本、家庭内のステータスは母親、自認性は、、と言う感じ。そしてその集合体が「私」である。人は見た目で判断はできない、もっともっと複雑な存在なのだ。

後半は、「違い」と言うポイントで、「差、差別、格差、平等、公正」の順に私の経験と世の中の大きな流れを話した。そこで一部見せたYouTube映像をここに紹介しておく。

差 − 人には大なり小なり必ず差がある。肌の色、体格差のように目に見えるものから、能力差、性格、文化など。差があることは良い悪いではなく自然なこと。

差別 − あるものを、正当な理由なしに、他よりも低く扱うこと



日本に差別はないか?欧米のように悪意を持って差別をする人は少ないが、無意識に差別をしている人が多いというのが現実。実際に警察官は特に東南アジアや中東の人たちを見れば、必ずといって良いほど職務質問をする。それは彼らの犯罪率が高いという背景もあり、警察は職務を遂行しているだけなのだが、人権は守られているのだろうか?とても難しい問題。

格差 − 同類のものの間における、程度(水準・資格・等級・価格・格付け、レベル)などの差や違いである。また、社会問題の一つとしての意味合いを込めても用いられる語であり、貧富の差(経済格差)などを意味しても用いられる。

日本でも近年格差が広がっているという。話題になっているのは日本人同士の格差で、外国人のことを話したらすでにかなりの格差がある。我が家でも賃貸物件、スマホ、金融、保険、あらゆる契約のハードルが上がった。私が感じたハードルなんてほんの一部で日本語話者でなくステータスも不安定な外国人労働者にとって生活の困難さは計り知れない。このままもっと外国人が増えて大丈夫? 日本では差別や格差はまだ燻っている状態。当事者たちの声が届く仕組みがない。米国のように燃え上がる前に私たちは特権に甘んじ、誰かの人権を知らず知らず阻害していないか考えていくことが大切。日本は平等な社会から公正な社会へと転換が求められている、そんな話だった。大人だって目を背けたくなるような難しい話だけど、一人でも興味を持ってくれて自分で掘り下げてくれたら嬉しい。

Monday, June 13, 2022

国際化?ガラパゴス化?


6/17に地域のボランティア団体「みんとみ」の一員として、数年前から地区の中学校で総合学習の授業で外部講師をコーディネートさせてもらっている。今年は「社会参画」に向け、ぜひ私が中学生に会わせたいと思う大人をマッチングし、彼らの出会いが実現していることは大変ありがたい。

その中で私は多文化系として今年度は一枠担当させてもらう。伝えたいことは一つ、どうグローバル化社会に向き合うか。私から正解は提示できないが、不正解の例は提示できる。

この件に関して人に伝えられるような大々的なことは特にやっていないのだが、常に当事者家族としてさまざまな課題と向き合いアクションしてきた、移り気の多い私にしてはこれは一貫して向き合い続けている数少ないことの一つだ。まぁ避けて通れぬ課題である。

国際化について、社会的ターニングポイントがある度に英語教室の問い合わせが増え、それはありがたいことなのだが、子どもには伝えたい。そういうことではないのだ、大人はわかっていないのだ。言語だって磨けるなら磨いた方がいいのだけど、それは単なるツールでしかない。ツールをいくら磨いても伝えたい内容がなければ意味がない。私たちは何を世界から知り、何を伝えたいのか?それをまず考えてほしい。今の日本に必要な国際化に向かって個人である私が実践している社会参画から中学生が自ら考え、小さなアクションにつなげられたらとワクワクしている。

タイトルにした「国際化?ガラパゴス化?」は、私たち次第だと思っている。腹をくくって独自進化も良いかもしれない。しかし、今は国際化を目指しているといいつつ、実際はガラパゴス化に進んでいる大人たちの軌道を修正できるのは君たちかもしれない。